当センターの笹岡 貴史 准教授を中心とするグループは、9月1日から9月8日まで行われた日本心理学会第85回大会において「感性の心理学・脳科学的理解とその社会応用」というテーマのシンポジウムを主催し、「感性科学」の可能性およびその社会貢献について議論しました。
【シンポジウムの情報】
感性の心理学・脳科学的理解とその社会応用
企画代表者:笹岡 貴史1
企画者:金山 範明2
話題提供者:金山 範明2、前川 亮1、町澤まろ1、曽 智3、西川 一男4,5
指定討論者:行場 次朗6、持丸 正明2
司会者:笹岡貴史1、金山 範明2
1. 広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター、2. 産業総合技術研究所、3. 広島大学大学院先進理工系科学研究
科、4. 広島大学 学術・社会連携室、5. マツダ株式会社、6. 尚絅学院大学
概要:
「感性」はこれまで哲学,心理学から,人間工学,感性工学といった工学の分野に至る幅広い学問分野で注目され,それぞれの分野で研究が進められてきた.一方で,平成25年に広島大学を中核拠点として採択された文科省「革新的イノベーション創出プログラム(COI)」の「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」では,心理学,神経科学,感性工学といったヘテロな研究者,企業の研究開発者が共創することで,感性の基礎研究の知見に基づいた感性の可視化技術を社会応用する取り組みを進めている.本シンポジウムでは,感性を外受容感覚,内受容感覚情報処理に基づく知覚と感情の相互作用過程とその統合的評価を行うシステムという考えに基づき,プロジェクトで進められてきた感性の基礎研究,脳情報,生理反応に基づく感性の可視化,およびその応用に向けた産学連携の取り組みについて紹介する.その上で,心理学,脳科学,工学などが融合した「感性科学」の可能性,およびその社会貢献について議論したい.