当センターで推進しているセンター・オブ・イノベーションプログラム(COI)において、山脇成人特任教授、町澤まろ特任准教授の研究グループは、感性の可視化をテーマとして、快・活性・期待という3つの心理主観軸から「ワクワク感」をモデル化し、ヒトがイメージし、予期・評価している時の脳波情報を用いて、「ワクワク感」を定量評価する感性多軸モデルを世界で初めて報告しました。(本学プレスリリース

(記者会見でのデモの様子)

本研究では、「ワクワク感」という感情と認知状態が複合された感性状態を統合的にモデル化し、脳波と紐付けることで、「ワクワク感」を脳波指標で定量評価可能な新たな指標を開発しました。これにより、広島大学感性COI拠点の目標である【人と人・人とモノ・人と社会が「感性」によって繋がり調和する社会の実現】へ大きく前進しました。

(従来のモデルとの違い)
リアルタイム感性計測技術(感性メーター)

現在、本研究で可視化できる「ワクワク感」は視覚から得られるものに限られますが、将来的にはこれを五感に発展させるべく、学内外の異分野の研究者や企業と連携して開発を進めています。更に、多様な個性にでも対応可能な可視化ツールにする為にそのヒトに最適化されたモデルの開発に着手しています。今後、社会実装に向けて、基幹研究・デバイス開発を加速させていきます。

この研究成果は、英国の国際専門誌「Journal of Neural Engineering」にAccepted Manuscriptとして掲載されました(本出版は1ヶ月程度後の予定です)。

【論文情報】

・掲載雑誌:Journal of Neural Engineering

・論文題目:“Quantification of anticipation of excitement with a three-axial model of emotion with EEG”(脳波を用いた感情3軸モデルによるワクワク感の定量評価)

・著者:Maro G. Machizawa1, Giuseppe Lisi2,3, Noriaki Kanayama1,4, Ryohei Mizuochi1,5, Kai Makita6, Takafumi Sasaoka1, and Shigeto Yamawaki1

・所属:1広島大学脳・こころ・感性科学研究センター、2名古屋工業大学、3ATR 脳情報研究所、4産業技術総合研究所、5広島大学大学院教育学研究科、6福井大学子どものこころの発達研究センター

【研究サポート】

文部科学省革新的イノベーション創出プログラム(COI)「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」(JPMJCE1311)