装置概要

脳波計(Electroencephalography: EEG)は,脳から生じる電気活動を頭皮上から計測することで,脳活動を可視化する計測装置です.脳波計は,たくさんの電極がちりばめられた帽子のようになっています.脳波計を装着したのち, 電極ひとつひとつに専用のジェルを注入し,電気抵抗を小さくすることで,精度良く脳波を計測できます.

 当センターの脳波計は64チャンネル,128チャンネルのものがあります. 電極が多くなることで, 脳波の発生源の推定精度が上がります.

 さらに,簡便な計測のため、ジェル不要でかつワイヤレスの脳波計も所持しています.こちらは12ch,30ch,32chを所持しており,VR刺激を提示しながらの同時計測可能なモデルもあります.

特徴

 当センターの64ch/128chEEGは, 装着時の電極の位置を三次元的にチェックする機能を備えており, より正確な計測ができるようになっています.
 また, 計測時に使用するシールドルームは, 電磁ノイズを遮断できるので, 脳波計測時のノイズ混入を軽減できます.

目標

・EEGによって感性の状態をウェアラブルに計測できる,感性の「代用特性計測」を目指します.たとえば, ワクワク感(快・活性・期待の3軸)をはじめとして,上質感や操作感の良し悪しといった様々な感性の状態を,脳波指標に基づいて可視化できる技術を確立し, 既存の脳波による感性評価のパッケージに機能追加することで, より多様な感性の可視化が可能な感性メーター開発を目指します.

・ 抑うつ状態に特有の脳波成分に関わる電極及び成分を特定することで,抑うつ状態が定量計測できる技術開発を目指します.

64ch EEG 実験者
64ch EEG 被験者

マジックミラーとカメラで様子を見ることが出来る.

128ch EEG 実験者
128ch EEG 被験者

壁とドアには金属が入れられており, 携帯電話の電波など環境要因の電磁波を遮断できる.