当センターの小野健太郎先生が、日本心理学会第84回大会(2020年9月8日(火)―11月2日(月)・ウェブ開催)で行われたポスター発表において、「聴覚と運動の同期に与える知覚的体制化の提示間隔依存性効果」というテーマで発表を行い、学術大会優秀発表賞を受賞しました。

我々の聴覚系は、耳への入力を知覚的体制化(※1)によって意味のある刺激として認識する仕組みを持ちます。この知覚的体制化が生じることで、刺激の検出や記憶など知覚処理が向上することが知られています。
 知覚的体系化が知覚処理を向上させるのであれば、知覚と連携した行為でも体制化の影響が生じるのではないか、そういう仮説のもと、音刺激を用いた同期タッピング課題(図1)を行い、音の提示とタッピングの同期のずれを計測したところ、(図2)のような結果を得ました。
 この結果から、知覚的体制化が同期タッピングにも影響を及ぼすことが示されました。これまでの研究で示されたように体制化が知覚処理を促進させるだけでなく、刺激の提示間隔によってはパフォーマンスを妨害してしまうことがわかりました。

今大会では全ポスター発表904件中、審査対象となった562件から役員および学術大会委員会委員の投票によって審査が行われました。

【発表に関する情報】

第84回日本心理学会(http://jpa2020.com/

タイトル:聴覚と運動の同期に与える知覚的体制化の提示間隔依存性効果

発表者:小野健太郎、橋本純也、笹岡貴史

(※1)知覚的体制化とは、刺激の特徴に基づいて知覚的なまとまりとして認識する能力

(図1)実験の方法(同期タッピング課題)
(図2)実験結果